読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

clock-up-blog

go-mi-tech

石狩の旅が終わる

雑学 乱文

「帰宅してブログを書くまでがツアーですよ!」
羽田へ戻る空港で、そんな言葉を聴いた気がする。

今ここで記録を残し、そろそろ僕の旅を終わりにしよう。
あの日はまだ11月だった。遠い遠い昔の話である。

そこにはデータセンターがあった。

2014年11月末。石狩DC見学ツアーは雑学の滝に打たれる旅だった。

さくらインターネットの田中社長は大きかった。身長が。
f:id:kobake:20141129202112j:plain:w300

データセンターもそこそこ大きかった。(田中社長ほどではない)
f:id:kobake:20141130100631j:plain:w300

このツアーの概要を簡単に説明しておくと、これはさくらインターネットが保有する石狩データセンターの見学ツアーである。

この旅の価値を端的にいうと「知」である。
この先役に立つか立たないかまるで分からないけれどもしかし、僕個人の脳髄が痺れたことだけは確かな、数々の知見が得られた。

今回はその一部を紹介しようと思う。

吸気機構

皆様おそらくご存知またはご想像のとおり、石狩データセンターはサーバの冷却のために外気を取り込んでいる。

その際、不測の事故に繋がりかねない異物が侵入しないように、吸気機構には何層ものフィルタが設けられている。

f:id:kobake:20141129142405j:plain:w300

それはたとえば鳥を避けるための荒い網であったり、虫を避けるための細かい網であったり、空気中の塩分や煙を取り除く専用のフィルタであったり、と。

煙ってなんのことかと思う方もいらっしゃると思いますが、北海道では野焼きの煙が舞うことがあるのです。

フィルタ目詰まりの検出

荒い網が目詰まりすることはまず無いだろうけど、細かい網とか化学的なフィルタなんかは、定期的にメンテナンスする必要がある。しかし定期的にメンテナンスしていても、いつかどこかで運悪く目詰まりする可能性はおそらくゼロではない。じゃあどうするのかというと、ちゃんとそのあたりの検出機構も備わっている。

f:id:kobake:20141129142441j:plain:w300

気圧計。

外から内でスムーズに空気が通り抜ける状態(フィルタが詰まってない)であれば、外と内の気圧はほぼ一致する。仮にフィルタに目詰まりが生じ、空気の行き来がスムーズでなくなると、この気圧に差が生じる。それをこの気圧計で検出するわけである。

ふむふむ~、ナルホディウスですぞ~

二酸化炭素で後を濁さず消化

万が一、火災とかそれに類するものが発生した場合に備えて、消化器具も当然ある。

f:id:kobake:20141129144229j:plain:w300

  • 左が普通の消火器。使うと当然ながら周辺を泡だらけにする。法律上の義務のため置いてある。
  • 右が二酸化炭素消火器。気体なので周りを汚さない!

今のところ左右どちらとも出番は無いようです。平和です。

ちなみに人間は二酸化炭素を吸い過ぎると死にます。物騒です。

自動消火装置は安全な窒素ガス

そもそも人間が手動で何かを消化するなんて前時代的ですし、ちゃんと自動消火装置もあります。

f:id:kobake:20141129144055j:plain:w300

この赤いラッパみたいなところから消化ガスが出る。

しかしながら前述の消火器のような手動システムならともかく、自動的に発動するシステムが二酸化炭素を放出しまくるのはさすがに危ない。というわけで、この装置は人間が吸っても無害な窒素ガスを放出する。

発電機

データセンターは1秒たりとも止まってはならない。
たとえ電力会社の発電機が止まったとしても、データセンターは止まってはならない。

f:id:kobake:20141129143118j:plain:w300

だから、電力会社側の電力の不備に備えて、データセンター内でも発電機を保有し、万が一の際には自力で電力を賄う、そんな機構さえ備わっている。万全の準備すぎる。

嗚呼、これはもはや小さな「国家」なのでは、と思った。

発電機は騒音がひどいのでアラート音が聴こえなくなる

発電機のエンジンにはディーゼルエンジンが採用されている、とのこと。これはとてもうるさい。
周りに何もない石狩だからこそ使える機材である。

稼働中はあまりにも騒音がひどいので、大事な各種アラート音が聴こえなくなる。

f:id:kobake:20141129143300j:plain:w300

だから代替の信号としてランプがある。ちゃんといろんな状況を想定している。こういう妥協の無い感じ、好きです私。

気温・湿度

気温は低けりゃ良いってものではない。気温が低すぎると機材が結露する。
湿度も低けりゃ良いってものではない。湿度が低すぎると静電気が発生しやすくなる。

f:id:kobake:20141129145342j:plain:w400

どうやらサーバ管理に最適な気温・湿度の範囲というものがあるらしく、サーバルーム内のそれが範囲内に収まるよう、システムが自動調整しているらしい。

なるほどどの世界にも専門家がいるものだな、と思った。


ところで、かのネイチャージモンは「焼肉屋ではまず空調を見ろ」と言っていた。彼は肉のプロである。どの分野においても専門家というものは尊敬に値する。

知見はこれにて

得られたものが多すぎて、全てを吐き出そうとすると間延びするので、知見の紹介はここまでとする。

参加者が30人もいたわけだから誰かがいろんな隙間を補完してくれていることと思う。
僕が全ての情報を発信する必要は無い。

さくらインターネットという組織

命綱であるデータセンターの隅々を、部外者である我々に、普通はここまで公開しないし足も踏み込ませない。さくらインターネットはそのあたり特殊で、とても透明に感じた。

組織の透明性について

ちょっとうざい持論になってしまうのだけど、組織の透明性には3段階くらいあると思っている。

  • (1) 組織内の情報が不透明な組織は、自分自身を観測する視界さえ失われており、自浄作用が働かない。僕はそういう組織を知っている。
  • (2) 組織内の情報が透明な組織は、自然と自浄作用が働く。
  • (3) 組織内外にまで情報を透明にするような組織は、自浄作用を超えた他浄作用というか、なんかそんな感じのすごい浄化作用が働き続けると思う。大きな信頼を置くに値する。

さくらインターネットは (3) に属する組織だと思う。

記録はこれにて

語尾の乱れは仕様です。

f:id:kobake:20141129131559j:plain:w300

いろいろとごちそう様でした。

});