電子定款とかで使います
先日、公証役場で定款認証をしてもらってきました。
初めは紙で定款を渡すつもりだったのですが、電話口で、
業者にお願いすれば1万円くらいで電子定款作れますよ、って言われましたが、自分自身がいろいろ手続き周りのお勉強をしてみたいという目的もあり、あえて自前で電子定款を作ることに。
こんなのを作ります。
なかなか曲者だったのでメモ。
準備するもの
印影PDF
判子の見た目のPDF。これも好きなツールで好きに作れば良い。背景は透過させておくのが好ましい。
参考:背景透過の印影PDFを作成する - clock-up-blog
印影は、実印でなくても良いし、三文判でもまぁ良いっちゃ良いし、極端な話、適当にマウスで書いたマークでも良い。
電子署名の場合、証明情報が電子的に埋め込まれるので、マークそのものにはそれほど気を遣わなくて良いとかなんとか公証役場の人から聞いた。
住民基本台帳カード (住基カード)
ICチップが入ってるやつ。あらかじめ電子証明書を交付してもらう必要あり。
http://www.juki-card.com/use/index.html
市区町村の住基カード発行窓口で、「公的個人認証サービスの電子証明書」の交付を受けると、行政手続のインターネット申請ができるようになり、行政機関等への手続を、ご自宅やオフィスのパソコンから行うことができ、窓口に行く必要がなくなります。
ICカードリーダ
住基カードを読み取れるもの。
一昔前は NEC の CK シリーズほぼ一択だったような記憶があるけど、最近電気屋さんに行ったらけっこう選択肢が増えてた。
今回は SONY の RC-S380 を使ってみます。非接触型。住基カード以外にも Suica とかピコピコできるので後々楽しめそう。

SONY 非接触ICカードリーダーライター P RC-S380
- 出版社/メーカー: ソニー
- 発売日: 2012/10/10
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 5人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
こうやって使います。
電子署名を付ける
必要なものが揃ったら、早速作業を進める。
署名プラグイン SignedPDF の導入
登記ねっと で配布されている Acrobat プラグイン「SignedPDF」を導入する。
まずはインストーラを入手。
インストーラを実行。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ポチポチ進めるだけ。
デフォルトの署名方法は「公的個人認証ICカードを使用する」にしておく。(最初からこれが選択されていることを確認)
ちなみに自分の環境 (Windows 7 Home Premium, Adobe Acrobat XI Pro) だと、何故か最後の画面から何も進まずに進行が止まってしまう。仕方ないのでタスクマネージャから強制終了。インストールガイドを見た感じだと、本来は Windows 再起動を促すダイアログが最後に表示されるはずなので、一応手動で再起動しておいた。Acrobat からは問題なく認識されていたのでまぁ良いかな。
Acrobat 設定
SignedPDF のインストールが問題なく完了すれば、Acrobat のメニューとして [編集] - [環境設定] - [SignedPDF] が追加されているはず。
設定ダイアログ。
さらに、「署名時の既定値」の「設定」を押して、
署名情報を入力する。
- 名前 … 氏名を入力。
- 署名地 … 住所を入力。
- 理由 … 「私はこの文書の作者です」を選択。(右側の▼から選択)
- 使用印影 … 「PDF形式印影ファイル」を選択。(デフォルトでこれが選ばれているはず)
Acrobat で署名を行う
マシンにICカードリーダを接続し、カードリーダ上に住基カードを乗せておく(または差し込む)。
Acrobat で署名を付ける対象の PDF を開き、右上の「入力と署名」をクリック。続けて「電子署名」をクリック。
「電子署名」の中の「証明書を使用して署名」をクリックし、
印影を表示する範囲を選択する。
署名情報とパスワードを聞かれるので、住基カードに保存されている電子証明書のパスワードを入力。(このパスワードは役所で電子証明書を交付してもらうときに登録したはず)
保存するファイル名を入力。
完了。「この製品では、検証はできません。 Code=0x3f100001」という不吉なメッセージが出るが気にしなくて良いらしい。
Acrobat ウィンドウ左部の署名タブを開くと、一応署名が付いているらしいことが分かる。「完全性が不明です」とあるが気にしなくて良いらしい。
おしまい
完了したくせに最後の最後にエラーメッセージが出るという胸糞悪いインターフェースだが、とりあえずはこれで良いのだ。良いらしいのだ。少なくとも自分は、この流れで署名した電子定款で公証役場の認証を得ることができた。